業務実績

平成29年度 沖縄離島体験交流促進事業 (本島版)

背景・現状

●沖縄21世紀ビジョンにおいて、離島地域の住民負担を『沖縄の心である「ユイマール精神」に基づき、県民全体で支え合う新たな仕組みを構築していく。』と謳っているが、現状として、沖縄本島地域の住民の離島地域への関心は低い状況にある。

●これまで県においては、離島地域おける体験プログラムの作成や、体験・滞在施設の整備等を支援してきたが、今後はこれらの資源や民泊の取組等を有効に活用し、離島地域の活性化を図る必要がある


今年度の課題

●近年、子ども達のアレルギーが増加・深刻化傾向にあり、また、体験活動の機会が少なくなっていることによる「生きる力の低下」が問題になっている。 8年目を迎えた今年度は、子ども達の健全育成を目指し、学校現場と連携した学習効果の高い体験活動(事前事後含む)を推進する。また、その環境づくりとして安全管理・危機管理体制の整備にも取り組む。

●共通マニュアルを用いた研修等を実施し、受入れに関わる関係者全員の「命を預かる意識」の向上を通した受入態勢の強化を行う。また、簡易宿所営業許可の取得のサポートなどの法規に準じた危機管理体制の構築、並びにいざという時の補償体制の整備を推進する。


事業概要

将来を担う児童が、離島の重要性、特殊性及び魅力に対する認識を深めるとともに、沖縄本島と離島との交流促進により、離島地域の活性化を図ることを目的として、沖縄本島の児童を離島に派遣し、地域の人々や地元小学生との交流のもと、体験学習や民泊等を実施する。


期待される効果

①離島地域の文化、環境及び産業を活かした新たな体験学習の場の構築
②沖縄本島の児童が、離島の重要性、特殊性及び魅力への理解を深める
③児童の豊かな人間性や社会性の形成
④本島と離島との交流促進
⑤離島観光の振興


派遣概要

参加学校

沖縄本島内の53小学校の5年生(128クラス 3,688名)

派遣先離島市町村

伊平屋島、伊是名島、伊江島、水納島、粟国島、渡名喜島、久米島、座間味島、阿嘉島、渡嘉敷島、津堅島、北大東島、南大東島、池間島、宮古島、伊良部島、多良間島、石垣島、西表島、小浜島、黒島、与那国島(17市町村・22離島)

期間

平成29年5月~7月及び9月~12月

費用負担

本事業にかかる費用は、旅行保険と昼食代以外は沖縄県が負担


昨年度の成果

~島側の声~

本事業に参加した島側コーディネーターや島側行政担当者の声の一部を紹介致します。

本事業の経済効果を住民が感じるようになり、教育旅行受け入れに対して、島内に協力的な雰囲気が生まれてきている。また、民家からは「自分たちもガイドとして体験プログラムを実施したい」という積極的な声が挙がっており、新しいプログラムを作った民家もいる。(伊平屋島)

伊是名では、民家自身が民泊の安全管理体制を評価できるシートを作成し、各々評価してもらっている。最近では民家から観光協会に保険や安全管理体制の問い合わせがくるようにもなり、意識が上がってきている。 (伊是名島)

今年度はフェリーを活用した団体旅行の受け入れと、100名規模の団体が楽しめるプログラムの造成に取り組んだ。 (久米島)

島に来た子ども達が、島の人への感謝の気持ちを表そうと、一生懸命にダンスを披露したり、新聞を作成している姿を見て感動した。感動して泣いているお年寄りもいました。 (座間味島)

~参加者の声~

H28年度は、47校の児童生徒(118クラス)3,822名が18離島(16市町村)に派遣されました。
H28年度に本事業に参加した本島児童や先生方、参加児童保護者の声の一部を紹介致します。

参加した本島児童の声

●朝ごはんを家ではお母さんが作っていたけど、離島体験で自分で作って楽しかった。船で島に着いた時と帰る時にあった横断幕が嬉しくてまた来たいと思った。

●離島の人々はちょっと厳しかったけどやさしいときはやさしかった。体調があまりよくない時に民家の人が背中をさすってくれた。

●離島の暮らしがわかるようになった。離島には鳥や川、自然がたくさんあった。これからも離島の自然を見ていきたい。

●船で島に着いた時と帰る時にあった横断幕が嬉しくてまた来たいと思った。

参加した本島先生方の声

●助け合いや協力することに関して積極的になり、個人ではなくグループで活動する児童が多くなった。

●校歌をうたい、島の方々にたくさん褒めてもらったことが自信になり自己肯定感が高まった。

●なかなか自分から行動できない児童に自分から「挑戦したい」「できる」という気持ちが出てきて、積極的に行動する姿が見られた。

●自分達の地域の自然に目を向けるようになった。海は繋がっていることを実感し、自分達の地域のビーチから綺麗にしようという発言が増えた。

●同じ県内なのに環境や暮らしが異なることに驚き、共感し、理解するようになった。

参加児童保護者の声

●沖縄について話す機会が増えた。ニュースなどで離島の話題に耳を傾けるようになった。

●まずは自分で考えて、わからないことを質問し、行動するようになった。

●協力すること、思いやりや優しさの大切さを感じて、優しい声かけが増えた。手伝いを率先してやるようになり、嫌いだった野菜を食べることにも挑戦している。

●親がいなくても他の人と行動できるようになった。引っ込み思案で心配していたが、 「楽しかった!もっと島にいたかった!」と聞いて涙がでるほど嬉しかった。

●同じ学年の仲間たちとグループになり、その中で自分の意見も発言できるようになった。それぞれの役割を持ちながら取り組むことで人生に必要なことを学ぶ機会になった。


事業の様子


魚さばき見学(座間味島)


ビーチクリーン&環境学習(伊平屋島)


ひまわり迷路づくり(石垣島川平地域)



民家さんとのお別れ(伊良部島)


もちきびかりんとう作り(粟国島)


久米島紬織り体験(久米島)



アワの収穫体験(小浜島)


地域交流会(宮古島西原地域)


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