カルティベイトな日々

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29 9月

『アジア青年の家』とファシリテーション その-3「チームビルディング」

Posted in H22年度アジア青年の家, アジア青年の家, ファシリテーション, 平井雅 on 29.09.10

シリーズ3回目の今回からは、前回「おおまかなプログラムデザイン」について触れたことを少し掘り下げてみたいと思います。

まずは、チームビルディングの視点からプログラムを振り返ります。

◎チューター合宿

今回、事前にチューター合宿を開催したことは大成功でした。カルティベイトの学習サポートファシリテーターチームは総勢9名で、16名の大学生チューター、2名の大学生記録係を含め、全員で2泊3日の合宿に望みました。

学習サポートチームのファシリテーターとチューター

学習サポートチームのファシリテーターとチューター

合宿に先立って行ったファシリテーターチームの打ち合わせでは、組織開発の理論を援用し、まずはこの「チューター合宿の目標」として以下の5点を明確にしました。

  1. 目標の共有
  2. 役割の共有
  3. 進め方の共有
  4. 水問題に関する知識の共有
  5. 人間関係の構築

これにより、ファシリテーター、チューターとしてプログラム期間中、参加青年の学びと気づきをサポートするために、自分たちは何をすべきかを、意識的に考え、行動できるようになったと思います。特に、我々学習サポートチームと、生活面や宿泊・移動などの面倒を見るロジスティックチームの役割の違いをハッキリさせたことで、プログラム期間中の混乱を少なくすることができました。また、ファシリテーション・スキルの講座を実施することで、ディスカッションの進め方、手法を共有しました。

役割の確認

役割の確認

チューター合宿は、本番の期間中に行うであろうゲームやディスカッション、振り返りの手法を実際にやってみるという、絶好の検証の機会ともなりました。この合宿でやってみた「マシュマロチャレンジ」や「KPTT(ケプト)」などの手法は、ファシリテーター、チューター自身がその効果を実感できたので、本番で自身を持って取り組むことができました。

KPTTを実際やってみて効果を実感

KPTTを実際やってみて効果を実感

今回のチューター16名は、沖縄県出身の大学生と海外から沖縄への留学生、大分県にある立命館アジア太平洋大学の学生(海外からの留学生)から構成されました。全員が個性的・創造的で素晴らしい能力を持ったメンバーが集まりました。そのチューターたちが、合宿3日目の最後には、チームワークといい人間関係といい、ガッシリといいチームになっていて、非常に頼もしく感じました。

<チューターの構成>

  • 沖縄県出身者6名(沖縄大学、琉球大学、沖縄国際大学、関西学院大学の学生およびNY市立大学卒業生)
  • 琉球大学への留学生(ミャンマー、台湾)
  • 立命館アジア太平洋大学への留学生(ベトナム、ブルネイ、インドネシア、タイ、マレーシア、韓国、中国、カンボジア)

このようにチューター合宿では、ファシリテーションの教科書に出てきそうなぐらい、短い期間で素晴らしい成果を上げることができました。

◎マシュマロチャレンジ

まずはマシュマロチャレンジの動画をご覧ください。
↓画面の下の「View Subtitles」をクリックして日本語を選択すると字幕が出ます。

これは、チームワークそのものや、チームでの創造行為、試行錯誤の必要性、 ファシリテーションの有用性について気づかせるグループワークで、マシュマロ1個と20本のスパゲッティ乾麺、粘着テープ、紐などを使い、マシュマロが頂点に乗った状態のタワー状の構造物を作ることを目指します。今回は5人1組を作り、18分間の制限時間内に1番高いタワーを作ったチームが勝ちというルールで進めました。

マシュマロチャレンジ自体、非常に良くできたゲームですが、このゲームの後にグループでしっかり振り返りをすることが重要です。

リーダーは誰だったか、自分はどんな役割を果たしたか。最初に目標を描くことや認識を見える化して共有することの重要性などについて気づく機会となります。

チューターの視点で見れば、自分のグループの参加青年の個性やこれから果たすであろう役割を観察するのに絶好の機会なわけです。

このワークをグループディスカッションの最初に取り入れることで、参加青年は否応なしに「チームワークってどういうこと?」と問いかける視点を持つことになるわけです。

マシュマロチャレンジで塔を建てながらチームビルディング

マシュマロチャレンジで塔を建てながらチームビルディング

◎KPTT(ケプト)

KPTT(ケプト)とは、私たちファシリテーターがよく使う振り返りのワーク手法です。普通KPTと書いてケプトと呼んでいますが、日本ファシリテーション協会沖縄サロンの仲間うちでは、KPTTと最後にTをひとつ余計に入れます。最後のTが結構重要です。

  • 今後も維持したいこと(Keep)
  • 問題だと思うこと(Problem)
  • 今後、試したいこと、改善したいこと(Try)
  • 感謝する人、もの、事柄(Thanks)

今回は、これをチームと個人というマトリックスにかけて利用しました。

KPTTにチームと個人というマトリックスをかける

KPTTにチームと個人というマトリックスをかける(クリックで拡大)

実は、第1セッションの終盤、中間の発表会の直前にKPTTを実施したのは、それまでの自分たちのグループディスカッションを振り返り、そこで得られた一体感を一気に発表の準備作業につなげ、達成感を得るために絶好のタイミングだからです。

実際のKPTT模造紙

実際のKPTT模造紙

なぜ、KPTTに効果があるのかは、ファシリテーターの定番理論として有名な「ジョハリの窓(Wikipedia)」が説明してくれます。イケていると思っていること、イケてないと思っていること、チャレンジしたいことなどをお互い話し合ううち(場合によっては“カミングアウト”するうち)に、自然と?の領域が狭まり、コミュニケーションの風通しが良くなるわけです。

Johari_window

また、少し専門的ですが、U理論(Theory U)の観点から言えば、Presensingというブレイクスルーが起こる準備として、お互いの話に耳を傾け、お互いを観察し、共感するというプロセスのきっかにも、KPTTはなりえると思います。

次回に続く

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25 9月

『アジア青年の家』とファシリテーション その-2「プログラムデザイン」

Posted in H22年度アジア青年の家, アジア青年の家, ファシリテーション, 平井雅 on 25.09.10

シリーズ2回目の今回は、3週間のプログラムデザインの大まかな考え方をご紹介します。

◎ チューター合宿

プログラムに先立つ7月17日?19日の2泊3日で16名のチューターを対象とした合宿を開催しました。

日付

時間

内容

7月17日(土) 15:00?22:00 アイスブレイク、内閣府から趣旨説明・注意事項、目標・役割の共有、自己紹介、ファシリテーションスキル講座、チームビルディングゲーム
7月18日(日) 7:00?22:00 モーニングアクティビティ、水問題に関する基礎知識講座、英語によるディスカッション演習、チームワークに関する振り返り、グループディスカッション演習
7月19日(祝) 8:30?12:00 グループディスカッション演習、ビジョンボード作成と発表

◎ チームビルディング

参加青年の緊張を緩め、少しでも多くの参加者と話すきっかけを作り、他の参加者との情報共有を促しやすい環境作りとして、プレセッション、第1セッションではグループディスカッションの前にアイスブレイクを取り入れました。

グループディスカッションを円滑に、効果的に進めていくにはチームワーク、チームの信頼関係が重要になります。そのため、プログラムの初めに、協働作業のゲームとして「マシュマロチャレンジ」を取り入れ、チーム内の個々人がとった行動を振り返り、個々の役割(リーダー、サポーター等)やチームワークについて考えてもらいました。

IMG_1834
第1セッションを終えるプログラムの中盤には、振り返りのための手法(KPTT)を取り入れ、各グループでこれまでに行われたグループディスカッションを振り返り、

今後も維持したいこと(Keep)
問題だと思うこと(Problem)
今後、試したいこと、改善したいこと(Try)
感謝する人、もの、事柄(Thanks)

をグループ全体で話し合い、共有しました。これにより、チームの結束力が強まり、信頼関係がより強固なものとなり、第2セッションで行われたディスカッションと成果構築をさらに効果的なものとすることができました。

※プレセッション、第1セッション、第2セッションのスケジュールはこちらを参照。

◎ プログラム成果物完成に向けたディスカッションの設計

プログラム参加前に、参加者に出身国、地域の水問題についてアンケートを提出していただきました。それを元に、グループディスカッションを各国の水問題についての情報共有から始め、水問題に関する共通点、相違点を確認しました。次に、水問題の因果関係、何が問題(結果)と背景(原因)なのかを考えました。

IMG_1925

次に、プログラムの中盤の「水問題に関する発表会」では、2030年にありたい地球の姿をビジョンボードとして視覚化し、寸劇を交えた発表を行いました。現状の問題点を把握した上で、いきなり2030年にありたい地球の姿(Vision 2030)を描き、それにむけた行動計画(Action 2020)を考えようという、「バックキャスティング」という手法を活用しました。

DSC07472

第2セッションをはじめるにあたっては、ワールドカフェの手法を用い、各グループの枠を超えて参加青年全員で情報を共有しました。これまでグループ単位でのディスカッションだったため、80人全体の集合的な意識を浮き彫りにすることがねらいでした。

ワールドカフェ
最終成果物の制作は、参加青年全員で役割分担して取り組みました。参加青年を4つのコミッティ(宣言文起案、ビジョンボード制作、バックステージ、パフォーマンス)に分け、本プログラムを通し、学んだ成果を全員が一丸となって最終成果物を完成させることができました。

次回に続く

アジア青年の家の様子がQABのサイトで紹介されています。

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25 9月

『アジア青年の家』とファシリテーション その-1「成果と意義」

Posted in H22年度アジア青年の家, アジア青年の家, ファシリテーション, 平井雅 on 25.09.10

このコーナーでは、『アジア青年の家Asian youth Exchange Program in Okinawa』の学習サポート業務をどのようにプログラム設計し、成果を得ることができたのかを5回シリーズでご紹介することで、青少年の人材育成分野におけるファシリテーションの有用性について明らかにしていきたいと思います。

株式会社カルティベイトは、先日ご紹介したとおり、内閣府主催『アジア青年の家』の学習サポートに関する業務を、沖縄大学、NPO法人万国津梁人財ネットワークとのコンソーシアムで受託させていただきました。

カルティベイトでは、4人のファシリテーターと16人の大学生チューターを率い、ファシリテーションを駆使して3週間の学習サポート業務に取り組みました。

美ら海前

事業の様子は、これまでずっとこの事業を応援してくださっている政策研究大学院大学教授黒川清先生のブログをご参照ください。

◎ 事業の成果

今年で3年目を迎える本事業では、3週間にわたる先進的な講義や有意義なグループディスカッションを経験した80名の参加青年たちが、水環境問題に関する宣言文、ビジョンボード(イラストレーション)、音楽、詩というクリエイティブな成果物を創り上げました。8月23日の成果発表会では、出席者の感動を呼び、関係各方面から高い評価をいただくことができました。

この成功の基礎となったのは、これまでの2ヶ年の事業の経験を踏まえた内閣府の皆さんによる細心のプロジェクト設計があったと思います。今年度から参加させていただいた弊社では、ファシリテーション(協働促進)やグループダイナミクス(集団力学)の理論と手法に基づいた綿密なプログラム設計を行いました。このことにより、参加青年の自主性を引き出しながら積極的な参画を促し、気づきと学びを促進することができたと思います。

◎ 事業の意義

沖縄が、地域的特性を活かして3週間のプログラムを受け入れ、内閣府や講師陣、立命館アジア太平洋大学をはじめとする県外の知見の支援をいただきながら、県内人材を積極登用して本事業を成功させることができたことは、沖縄県が「沖縄21世紀ビジョン」を実現するに向けて、非常に意義深いものだと思います。

本事業は、国際協力の拠点としての沖縄の可能性を示すと同時に、本県においてグローバルな人材を輩出するための若年層向けの人材育成プログラムのプロトタイプとなったといえるでしょう。

特に、人材育成の専門家が大学生の学びを支援し、その大学生が高校生の学びを支援するという有効な仕組みを構築できたことはとても重要だと思います。

◎ 事業の概要

◇目的

日本やASEAN諸国を中心としたアジア各国(オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、ヴェトナムの15カ国)の高校生等が、東アジアの中心に位置する沖縄において一堂に会し、3週間の共同生活の中で、優れた科学者や技術を目の当たりにし、ともに世界の水環境問題について議論を進めることにより、我が国の若者のイノベーティブマインドを醸成するとともに、沖縄の将来を担う人材の育成、国際交流拠点としての沖縄の発展に資することを目的とする。

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22 9月

今年も沖縄でファシリテーション基礎講座が開催されます。

Posted in ファシリテーション, 平井雅, ファシリテーション講座 on 22.09.10

今年も沖縄でファシリテーション基礎講座が開催されます。

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2010年10月9日(土)「ファシリテーション基礎講座」開催のお知らせ
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特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会が自信を持ってお届けする
公開セミナー「ファシリテーション基礎講座」が、沖縄で開催されます!

これまで沖縄サロンの例会に参加された方の中で、
「ファシリテーションを初歩から体系的に学んでみたい」
「自分も使ってみたいけれど、今ひとつ自身がない」
という皆さんに最適な講座です。

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東京では、定員40名が受付後すぐに埋まるほどの人気です。
沖縄では限定20名で、今年度は1度のみの開催予定です。

お申し込みは、下記URLよりお早めにどうぞ!

※    ※    ※    ※    ※    ※    ※

◆講座のねらいと特徴

*ファシリテーションの基礎を、講義と演習で初歩から体系的に学べます。
*ビジネス、まちづくり、教育など、幅広いジャンルの方を対象にしています。
*明日からファシリテーションを実践できるようなカリキュラム構成です。

◆プログラム概要

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│0.ファシリテーションとは?

*なぜ話し合いがうまくいかないのか?ファシリテーションとは?
*「プロセス」と「コンテンツ」
*これがファシリテーションだ!…..など

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│1.場のデザインのスキル

*場をデザインする5つの要素
*場の雰囲気づくり
*話し合いの進め方

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│2.対人関係のスキル

*聴くことが安心感、信頼感を与える
*質問の使い分け
*柔らかい自己主張
*ファシリテーション・サイクルを実践する….など

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│3.構造化のスキル

*主張を明確にする
*議論の全体像をつかむ
*議論を書きとめてみよう!
*議論を整理する道具箱….など

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│4.合意形成のスキル

*言葉の奥にあるものを探る
*対立解消のやり方
*忍耐強く話し合う

┌──────────────────────────────
│5.明日からやれること

*あなたは明日から何をやる?
*もっと上達したい人のために

◆日時:2010年10月9日(土) 10:00?18:30

◆場所:沖縄産業支援センター3階 303大会議室

◆受講料:会員…15,000円(税込) 非会員…21,000円(税込)

◆定員:20名(先着順)

◆お申し込み:下記のページから早めにどうぞ。
↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓
https://www.faj.or.jp/modules/contents/index.php?content_id=1486

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※沖縄セミナーに関するお問い合わせ
https://www.faj.or.jp/modules/contents/index.php?content_id=880

15 5月

日本ファシリテーション協会沖縄サロン第16回例会

Posted in セミナー/ワークショップまとめ, ファシリテーション, ファシリテーション関連 on 15.05.10

早いもので、前回の例会からもう1ヶ月たってしまいました。

今月は宜野湾のマリン支援センターというところで沖縄サロンの例会を開催しました。
海のすぐ近くで、プールもある、ちょっと変わった施設でした。

*     *     *     *

藤井さん担当のアイスブレイクは、ちょっと変わったビンゴゲーム。
その結果?として逆立ちしている(させられている)二人。

すっかり温まったアイスブレイク

すっかり温まったアイスブレイク

メインメニューは、ワールドカフェ形式で「“明日のリーダー”を考える」がテーマ。
今回は、プログラムデザインに一切関わらず、メインファシリテーターの池原さんにすべて任せました。

いやあ、一参加者として参加するのは楽しいですね。
そして、いっぱいいろいろな気づきをいただきました。

楽しかったです。

人数が少ない時は、少ないなりに楽しいワールドカフェ。

議論の結果に大満足。

議論の結果に大満足。

?“明日のリーダー”を考える?

22 4月

沖縄観光の20年後を考えるワールドカフェを開催しました。

Posted in ファシリテーション, 沖縄観光の未来, 沖縄観光の未来を考える会, 平井雅 on 22.04.10

2010年4月21日(水)15:00?18:00、那覇セントラルホテル「プルメリア」にて、沖縄観光の未来を考える会主催「沖縄観光の20年後を考えるワールドカフェin那覇」 を開催しました。

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行政/観光業界関係者/マスコミ等60名の参加があり、カフェのマスター(ホスト)として、特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会沖縄サロンの協力を得ました。

ワールドカフェとは、不特定多数の様々な背景を持った人々が一つのテーマについて話し合うときに、短い時間でたくさんのコミュニケーションをとることがで きる手法です。「会議の本当の成果は本会議場ではなく休憩時間のようなカフェ的空間で得られる」という経験と発想に基づいています。

詳しくは、↓こちらのページをご参照ください。

沖縄観光の未来を考えるワールドカフェ

21 4月

ファシリテーションの底力!

Posted in ファシリテーション, 平井雅 on 21.04.10

昨日の夜、以前「成果の出る会議の進め方講座」を受けていただいた、とある商工会関係者の方から突然ご相談のお電話をいただきました。

内容をかいつまむと…

  • 小6の娘さんがバレーボールをやっている
  • 最近のそのチーム内で不和が発生し、休部に追い込まれている
  • 明日、子どもたちと親、そして先生が集まり、その件について会合を開く予定
  • 以前受講した時「ファシリテーション」が印象に残っていたので、今回活用したい
  • 友人と2人でファシリテーターを買って出て、以下のストーリーを考えてみた
  1. アイスブレイクフラフープを使ったゲームで子どもチームと親チームで競い合い。子どもが勝つことが予想されるので、気持ちを盛り上げることとチームワークの楽しさを実感させたい。
  2. 話し合いアイスブレイクを受けて、このチームでどうやったら強くなれるかをみんなで考えてみる。ホワイトボードを使って板書しながら進めたい。
  • 狙いとしては、子どもたち同士や親同士の一体感を生みたい
  • 子どもたちは「叱られる」と思って参加してくるはずなので、楽しく進めたい

ということでした。

そこで、アドバイスして欲しいという内容のお電話でした。
とっさのことだったのどうしようかと思いましたが、いくつか状況について追加質問させていただき、以下のようなコメントをさし上げました。

  • 全体の流れはとてもいいと思う
  • 子どもたちにとって急に「どうやったら強くなれるか」を考えさせられるのは難しいと思うので、もっと別の質問を前もってたくさん考えておいた方がいい
    例えば、

    • 以前試合に勝った成功体験があるなら、「あの時、どんな気持ちだったっけ?」とか「あのとき、○○だったよね?。なんで勝てたんだっけ?」など
    • 子どもたちが楽しい雰囲気になってきたなら、「どんなチームだったら勝てると思う?」とか「どんな工夫をしたら勝てるようになるかな?」など
  • 全体の雰囲気が相当前向きになったらなら、一気に問題の本質(人間関係のあり方など)を引き出す質問をしても良いが、あまり盛り上がらなかった、もしくは引き気味の子どもがいるようだったら、とにかく楽しい雰囲気で終わること、次回も参加してみようと思わせる雰囲気で終わらせるようにする
  • 何よりも、「子どもたちは自分たちで素晴らしい答えを見つけることができる」と信頼すること。これにつきる

というような会話をしてその日は電話を切りました。
*          *          *
そして翌日。どうなったかなーと気になっていたところ、また夜になってお電話をいただきました。
「どうでした!?」

「うまく行きました! とても楽しくいい雰囲気で進めることができましたっ!」

「すごい! どんな風に進めたのですか?」

「まずアイスブレイクは大成功。3回とも子どもチームが勝ち、みんな楽しそうでした。こどもたちは毎回タイムを伸ばしました。」

「その後の展開は?」

「『みんなは6年生だけど、あとどれぐらいバレーボールをできる時間が残っていると思う? それって長いと思う? 短いと思う?』という質問からはじめました。」

「おお、すごい。」

「それからアドバイスにあったような質問を組み合わせながら、みんなの意見を引き出し、ホワイトボードにどんどん書き出しました。そしたら、いろいろとどうやったらいいかが見えてきて、みんなで共有することができました。子どもたちの間にも親同士の間にも、何というか一体感が生まれました。」

「素晴らしい! プロのファシリテーター顔負けですね!!」

「最高に楽しかったです。あとは、これからどうするかです」

「ホワイトボードに書き出されたことを実行に移すための仕組みというかルールというか、何か決めごとを作られて毎日実践されるといいですよね。例えば、私は以前、大人のプロジェクトのケースですけど、『Good Job!カード』というのを参加者全員に書いてもらったことがあります。あるプロジェクトの中間ぐらいで、『これまでの仕事で○○さんに対して“Good Job!!”といいたい事柄をカードに書いてお互いプレゼントする』というものです。カードに書かなくても、毎回練習後にお互い誉めあうというのもいいですよね。」

「なるほど。またいろいろと考えてみます!」

*          *          *

いやあ、なんというか、感動的でした。こういうお電話をいただき、とても嬉しかったです。

この方が組んで一緒にファシリテーターをやったご友人は、介護関係の会社を経営している方だそうです。2人とも相当ファシリテーション的なセンスがある方だと察しました。

ファシリテーションの底力

それにしても、こういうケースでも威力を発揮するなんてファシリテーションの底力ってすごいと改めて実感しました。

11 4月

日本ファシリテーション協会沖縄サロン第15回例会開催

Posted in ファシリテーション, 平井雅 on 11.04.10

前回運営会議の様子をご紹介した、日本ファシリテーション協会沖縄サロンの例会を4月10日(土)に開催しました。

タイトルは、「みんなの意見を整理するコツ」?“構造化”を考える?

ほーむぷらざ等での告知の成果もあって、当日は30名の参加者が集まりました。
何とそのうちの約半数が初めての参加とのこと。最近の傾向として面白いのは、社会福祉系のNPOや医療関係者の皆さんの参加が比較的多くなっていることです。

流れは以下の感じでした。

1.アイスブレイク

ワークはネイチャーゲーム系が得意な「こう」さんのアイスブレイクでスタート。密接なスキンシップがともなうゲームで、アンケート結果でもなかなか好評でした。

生息地ゲーム

つながり発見!生息地ゲーム

2.ワーク1
ファミマ限定「うれしいプリン480」を超ヒット商品にするための販促会議:ブレスト拡散フェーズ

全体を6チームに分け、実際のプリンの試食を交えながらどうやったら超ヒット商品にできるかの販促会議をやりました。まずは、ブレストで拡散。

うれしいプリン480

うれしいプリン480

机の上に見えるのがうれしいプリン480

机の上に見えるのがうれしいプリン480

色々な意見を出し合いました。

3.ミニレクチャー

メインファシリテーターである私の方から、「構造化とは?」「コツは?」「どんなツールがあるの?」といった点について簡単にレクチャーをしました。

4.ワーク2
ファミマ限定「うれしいプリン480」を超ヒット商品にするための販促会議:収束&施策決定フェーズ

どのような軸を設定してどのように整理するかで、うまく行ったチームとうまく行かなかったチームに分かれました。

表組みのマトリクスにしたチーム

表組みのマトリクスにしたチーム

縦軸横軸のチーム

縦軸横軸のチーム

5.各チーム発表

6.振り返り

いろいろな意見がありましたが、大ざっぱに要約すると、いかに議論の本質的な部分を見抜いて、それを浮き彫りにする軸を設定しきれるかがミソ、ということでしょうか。

久しぶりに沖縄サロンの皆さんと楽しくワークができました。

ありがとうございました!!

31 3月

日本ファシリテーション協会沖縄サロン運営会議

Posted in ファシリテーション, 平井雅 on 31.03.10

本当に久しぶりに、日本ファシリテーション協会沖縄サロンの運営委員「TeamFaciFaci」の運営会議に参加しました。

サロンの世話人でありながら、このところの多忙ですっかり運営にごぶさたしていましたが、4月10日の第15回例会でメインファシリテーターをつとめることになり、久々に皆さんにカルティベイトに集まっていただきました。

「構造化」を題材にする。

ということだけは決まっていたのですが、何をするかは手探り状態。

まずは、頼りになる全国のFAJ(日本ファシリテーション協会)のメンバーの構造化研究会の皆さん他に「HELP!」のメールを打ったところ、いろいろとこれまでの成果をシェアしてくださいました。ホント、FAJというのは素晴らしいメンバーの集まりだと思います。(ありがとうございました!)

で、そこで得られた知見をまずは「共有知」として集まったみんなでシェア。構造化ってなんぞや、を学びました。

共有知をシェアしてまずは頭づくり

共有知をシェアしてまずは頭づくり

壁中使っての会議です。

壁中使っての会議です。

そしていよいよ、じゃあ、沖縄サロンの例会ではどんなワークに仕立てようか、をみんなで知恵搾り。

文殊の知恵を搾り中。

文殊の知恵を搾り中。

いろいろやってみた結果、一つの題材に決定!

当日は、きっと楽しい例会になるはず!!皆さんも是非ご参加を。

くわしくはこちらで。

25 2月

嘉手納町職員研修「分かりやすい資料づくり講座」

Posted in ファシリテーション, ワークショップ/セミナー, 分かりやすい資料づくり講座, 平井雅 on 25.02.10

嘉手納町役場で2月23日?25日の3日間、セミナーを開催させていただきました。毎日朝9時から夕方5時過ぎまでの講習でした。

◎1日目 わかりやすい資料づくり講座

各所でご好評をいただいている定番講座です。『わかりやすい資料づくり講座』では、考えをカタチにして伝えるための、ちょっとしたプロのコツを伝授します。

  • プロのコツを学ぼう(フォントの基礎知識/行間と字間のマジック/レイアウトのコツ)
  • 図表的思考力をつける(図化して1枚紙にまとめる/実習)
  • 考えをカタチにする(編集の5W1H/演繹法と帰納法/実習)
わかりやすい資料づくり講座

わかりやすい資料づくり講座

◎2日目・3日目 成果の出る会議の進め方講座

ファシリテーションの手法を活用しながら、「参加者のやる気を引き出す」「議論のプロセスに注目する」「議論を円滑に進めるツールを使う」「参加者の納得度を高める」といったワザを、実習を通して身につけていただく講座です。

  • アイスブレイク
  • 議論のプロセスに注目する実習
  • 論理的思考を身につける実習
  • レクチャー「成果の出る会議のコツ」
成果の出る会議の進め方講座

成果の出る会議の進め方講座

3日間連続の講習はさすがに疲れましたが、今回も参加者の皆さんからとてもご好評をいただきました!ありがとうございました!!

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